こんにちは、mymykenshinです。今日は前回からの続きで信用売買について深掘りしていくのと、株価が動く時点で、どういうことが裏側で行われているか解説していきます。
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①貸借残の公式発表
基本的に信用残は２種類の報告があって以下の２つがあります。
日本証券金融㈱が毎日公表する残高
公表されるのは、こういう情報です。
毎日18;40ぐらいに公表されます。どこのネット証券でもWEB上で見れるのですが
なぜか、各証券会社でデータが更新される時間がずれていて、一番速いのは、
SMBC日興証券だと思います。楽天証券とか21:00ぐらいだったような。
上記画面もSMBC日興証券のアプリなんですが、融資残というのが、
信用買い残高。貸株残高とは信用売り残高です。
講座12でも書きましたが、日証金と証券会社の関係残高です。
このスルガ銀行の場合だと証券会社に835000株の融資が行われ、代わりに3519200株の貸株が行われました。
貸株＞融資なので明日足らない株数のセリが行われます。多分逆日歩も発生するでしょう。
一週間に一度行われる市場全体の信用残高
週末残高を翌週の２営業日（通常火曜日）の引け後に公表されます。２営業日もタイムラグのある情報です。
ですが、本当の需給は制度信用＋一般信用でないとわからないので、結構貴重な情報なのです。
この例ですと、先週末の８月31時点では、買い残高の方が２百万株ぐらい
多かったのです。この状況だと逆日歩は通常発生しません。現実に月曜日に行われたセリでは逆日歩はゼロでした。
日本証券金融の状況はWEBで更に詳しい状況が見れます
さきほどの続きで、月曜日～火曜日は空売りが多く入っていて、水曜日のセリではとうとう逆日歩が発生してしまいました。
日証金のセリの状況も、どんどん貸株が増えていくのがわかります。
品貸料率/融資・貸株残高 ｜日本証券金融株式会社｜貸借取引情報
こんな感じです。
ここに品貸日数３とありますが、これは、売り方が負担する逆日歩の日数を表します。
株式取引は、約定してから株の受け渡しが行われるまで３営業日かかります。もし祝日がなければ、火曜日は週末の金曜日に受け渡しが行われることになります。そうなると逆日歩は金曜日だけでなくて、土曜日、日曜日も負担しなくてはならなくなります。
このスルガ銀行のケースですと一日の逆日歩は５銭なのですが、週末にかかっているので３日分で15銭払わなくてはなりません。
意外と空売りにとって痛いのです。祝日が火曜日から金曜日までなければ火曜日の逆日歩は３日分とおぼえておきましょう。
そして、祝日の逆日歩は全部売り方が負担となってしまうので、例えば年末の12月に大納会から大発会まで６日とか市場が休養なときは、年末３営業日前は７日分の負担しなくてはなりません。
たとえば12月決算のマクドナルドとかは、超高額逆日歩がつく上に年末で７日分とか負担になりますので、大損することになりかねません。
逆日歩の日数にはくれぐれも注意してください
東証が公表する信用残高
週末の信用残高は↓で公表しています
18年８月31日のスルガはこんな感じでした。なんでPDFなのか。探すのが大変ですが、一般信用との内訳とかわかります。
それから空売りが過熱してくると、貸株注意喚起銘柄とか、日々公表銘柄等に指定されると、この情報が毎日わかります。スルガは現在何もないので入っていませんが
厳しい戦いのときは、こういう情報にも目を通しておくといいでしょう。
②外人の空売りについて
前に株式市場で外国投資家は非常に強い力を持っている話をしましたが、それは空売りの世界でも同じことです。
かれらは、大株主と株の貸借契約を個別に結んでいます。
それは制度信用取引や一般信用取引とは別の世界となります。
そこで株を借りてきて、下がりそうなときには大量の空売りをしかけてきます。
なので外人の空売りの状況は見えないことが問題となっていました。このため大量の空売りをした人は２営業日以内に報告義務がかされることになりました。
（登場するのは、ほとんどモルガンとかゴールドマンサックスとかクレディスイスなどで、たまに個人がいます）
例えば 「[銘柄番号]空売り」でググルと、外人の空売り状況がわかります。
8358空売りでググった結果です。
更新されてしまうので、スクショを残しますよ。
ご存知のようにスルガ銀行は、毎日のように不祥事が報告されていて株価も非常に厳しい状況です。
上の検証からもわかるように、個人が空売り構成をかけていますが、実は機関投資家（外人）は、８月23日から充分下げたので買い戻しに入っています。
それが株価にも反映されているのです。
実際は、もともとスルガに現物投資していた機関は、スルガのダメっぷりに見切り売りしていますので、株価は、ほとんど上げていませんが、この機関の空売りの買い戻しが入ってからは、不祥事報道にもめげずに株価は下げ止まっています。
で昨日なんかは、まんまと上がりだしてしまったのです。
こういう需給がわかっていないと
なんでスルガの株価が上げるんだ～！毎日ひどいニュースが入っているのに！
ってパニックになります。
なんてことはありません。外人が買い戻しているのです。実は、私は昨日スルガの空売りを買い戻しました。利益確定です。理由はわかりますよね。
③需給に対する対応方法
基本ラインとして、外人のやっている方向と逆をしない方がいいです。
つまり外人が売っているときは、ガンガン下がる傾向にありますし、買戻しだすと底をつくということが多いですね。
でも絶対ではないです。モルガンが踏み上げくらって損するケースもよく見ます。
あくまで基本ラインとしてです。
じゃあ、彼らと同じ方向でやれば儲かるかというと、２営業日のタイムラグが効いてきます。つまり、タイムラグの間に空売りしていたのが買い戻していたというのは、よくあることです。
でも、この情報は本当に意味があると思うのです。外人は基本的に売り出すと結構長い時間空売りしますので、外人が売っていて現実に株価が下がっているときは手を出さないのが賢明です。
一番最悪なのは、ずるっと来た時に、外人と同じように空売りしたところが、実は底で、外人は買い戻していて、そこから大量の現物を買って踏み上げにもっていくケースが結構あります。
いやらしいんですよ。個人の空売りがやられる典型的パターンです。
例えば神戸製鋼での品質偽装の件でも、ストップ安を連荘したとあとに鬼のように上げてきます。
確かに品質偽装とか会社の信用を揺るがす事件ですが、じゃあそれで自動車メーカが発注止めるかといえば、止めるわけないですよね。あとの経過を見てもわかりますが。
ショッキングなニュースで株価を下げたあとに「実はたいしたこないね」ってときに爆上げするのです。
株価はそういう演出をするものなのです。
そういことからも私は教訓も含めて「つっこみ売りはしない」ということを心掛けています。
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④株価の暴落の原因は、人の恐怖心
株価というのは、何か悪いことが起こった時に、自分だけ逃げようと、恐怖から目をつむって売ります。もし利益が出ていれば、なおさらです。利益があるうちに売っとこうと。
そうなのです「恐怖があるから急落するのです」。つまり恐怖がなくなり、なーんだということになれば、買戻しで上がるのです。
賢い人たちは、その恐怖を株価の急落という形で煽るのです。
特に前に説明したアルゴがこの分野では、非常に活躍している。ニュースをコンピュータが解釈して、それがネガティブな要素ならば、機械が勝手にその銘柄に売りを入れるのがアルゴです。その間5秒だったりします。0.1秒とも言われています。
だから、不祥事のあった株を持っている人は、見ていたら株価が急落していて、何があったの？と思ったら、●○という、ひどいニュースがあった。
そうなると冷静な判断力がなくなるもので（特に含み損だったりすると）
やっばーーーーーーーい(@_@。(@_@。(@_@。(@_@。(@_@。(@_@。(@_@。とりあえず売っとけ～ってことになり、一般投資家の空売り勢も果敢に空売りして、10%ぐらいは軽く急落する
アルゴ売り→個人売り＆空売りの突っ込み売り
十分にアルゴ売りは儲かると、買戻しと現物買いを強烈にやってきます。
そうなると個人売り＆突っ込み売りの人は10%ぐらい壮絶に踏まれます。
間抜けな話なのですが、私も何度かひっかかっています（神戸製鋼、三菱自動車は、やっていませんが）。三菱自動車も急落の後にストップ高とか。全部同じ手口です。
急落と悪いニュースでみんな投げるけど、株価が底ついた時点で人間恐怖というのが嘘みたく消えて、怒涛の買戻しが来るのです。
そういうのを専門に買ってくる連中もいたりします。私は買いイナゴと呼んでいます。
個人的には、あまりお勧めしません。戻ったと思って、買ったら、またジェットコースーターで下げるパターンもあって、そうなるとまた恐怖がくるのです。
急落している株は、恐怖との連動だということを理解してください。
⑤人の恐怖心で下げてくるので、ファンダメンタルズ理論は通用しない
ヒステリックな下げなので、それが収まるまでファンダメンタルズは通用しません。
ではどうするか？
「逆指値をセットしておく」
わけです。基本的に、常に逆指値をセットしておくぐらいが丁度いいでしょう。ほとんどの投資家が仕事があると思うので逆指値が重要になってくるのです。
また、本来、株価がこう動いたらこうするというのは毎日考えておかなくてはならないのですが、それを逆指値でセットしておくことで計画性が生まれるのです。
⑥まとめ
いかがでしたか？私は、空売りする視点で上記の内容をアップしました。問題は機関の空売り状況にしても、情報の方が遅れるということです。なので２日ぐらい先を想像しながらトレードすることになります。
ですが、実はそれほど難しい話でもないのです。観察というトレーニングを続けていると、株価や出来高見ているだけで、わかってくるからです。
昨日、空売り買い戻したのも、昼休みに見ていたら、「なんか恐怖心なくなってきたな、利益が残っているうちに買い戻しておくか」とか。そんなもん。
もし今日の相場で上がったら読み通りだし、かりに暴落すれば運がなかったな。でも儲かったんだから、ありがとう。それだけです。
そこは株式講座11 負けない投資の大切さにも書きました。
全部が全部完璧なトレードをしたいということは、要は自分が富を独占したいということです。人間というのは欲深いので、そういう気持ちになりましたが、一方で誰かが影で損して泣いているわけです。だから、株式トレードをして、楽しませてもらって、お金までいただいてありがとうという気持ちを大切にしたいと思います。
また、いつこんな急落が来るかわかりませんし、ほとんどの個人投資家は仕事があると思うので「逆指値をセットしておく」
ことは重要で、それが余裕を生みますので、是非実践してみてください。
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