こんにちは、mymykenshinです。今日は9月決算の最終日でした。知らない人に解説すると決算には45日ルールというのがありまして、10月は31日ありますので、11月14日までに提出することになっています。
これを超えるとペナルティ。何度もやると上場廃止にもなりかねない重要なルールです。
そして最終日の今日、注目決算が2つありました。一つはスルガ銀行。もう一つはRIZAPグループとなりました。その決算で「負ののれん」という言葉が登場しています。今日は、決算上重要な「負ののれん」について解説していきます。
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- ①RIZAPの決算報道
- ②経営が悪化している会社は格安
- ③RIZAPは、ボロ会社を買って再建するビジネスだった。
- ④ここから苦しいよ。
- ⑤負ののれんで粉飾する会社がある
- ⑥瀬田氏は結果にコミットできるまで無報酬だそうです。
①RIZAPの決算報道
今日の決算で衝撃のニュース 結果にコミットするはずのRIZAPが赤字に転落しました。
その中で気になる記事の報道
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この路線変更は、RIZAPの利益に大きく貢献してきた会計処理が今後は使えなくなることも意味する。この会計処理とは、買収の際に発生する「負ののれん」だ。
負ののれんとは買収額が買収先の純資産を下回った場合に計上するもので、その差額は営業利益に一括計上される。経営不振の赤字企業を中心に買収してきたRIZAPでは、この一時的な会計上の利益で営業利益が押し上げられていた。18年3月期の営業利益(135億円)のうち、6割以上を負ののれんが占めた。
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ここで書いている内容理解できますか?
会計を知らない人には難しいと思うのです。そこで今日は会計のお勉強「負ののれん(ふののれん)」って何?について解説していきます。
②経営が悪化している会社は格安
15年以上前の話なのですが、南紀白浜にある、ちょっとしたホテルを1円で買う話があるんだけど、調査してくれないかという案件が入ったことあります。
1円ですよ。それで依頼を受けて調査をしたのですが、特段、きれいも汚くもないしっかりしたホテルでした。屋上が温泉になっていて、南紀白浜の美しい海岸が見えるような。
1円払えばオーナーになれます。その施設が自分のものです。
安いって思いますよね。でも、そのホテルは赤字だったのです。もとは関西の鉄道会社が持っていたのですが、赤字なんで1円でいいから手放したいと。
そこで東京の投資家が名乗りを上げたのです。買った後どうなったか知りません。でも廃業していないので、多分設備投資して黒字化したのだと思います。
ウェブサイトみたら、すごい立派なホテルにリニューアルしていました。その投資家が1円でいい買い物したと喜んでいればいいですね。
このように、赤字会社は会社の純資産(資産ー負債)よりも、ずっと安く売られることが多々あります。設備価値だけ考えるとお得なのですが、将来の損失とか、黒字化にいたる苦労とか、追加の設備投資を考えると、必ずしもお得とはいえない会社です。
もしそういう会社を格安で買ってくると 最初は「純資産ー取得価額」分だけ得します。これを「負ののれん(暖簾)」といいます。
のれんって営業権ともいい、その会社がもっているブランド価値だったり、営業ノウハウだったりして、純資産を超えるものをいいます。
負ののれんとは、暖簾がマイナスという会社です。つまり将来やばい会社です。
そして会計処理なのですが、「会社を取得したときに利益に計上する」という決まりになっています。つまり最初のお得な部分だけ利益を計上することになっています。おかしいですよね。将来ヤバイ会社なのに、取得時に呑気に利益を計上していいのか?って思いませんか?
でも、それが会計ルールなので仕方ありません。
例えば 1000万円の純資産を持っているけど、毎年100万円の損失が出る会社を100万円で買ったとします。
そうすると 1000万円ー100万円=900万円の利益が初年度に計上されて、毎年100万円の損失がずっと計上されることになるのです。
もちろん経営の立て直しに成功して、毎年利益を計上できれば、大儲けです。
でも、それが簡単だったらとっくに黒字化していますよね。
③RIZAPは、ボロ会社を買って再建するビジネスだった。
ボロ会社を買ってきて、早期で再建すれば、初年度の負ののれんの利益が計上できて、さらに早期で経営再建できれば、できの悪い子が更生して利益を計上するというダブル美味しいビジネスがRIZAPのやり方でした。
そしてRIZAPが採用している国際財務報告基準(IFRS)では、負ののれんは営業利益なのです(日本基準だと特別利益)。
ボロ会社を買えば買うほど営業利益が増える。そして2年間で買ってしまったボロ会社が60社以上。
それが一気に損失になったのが、今回の決算だったわけです。
2018年3月期の決算
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2928/tdnet/1588494/00.pdf
これの7ページのその他の収益 98億円というのが、負ののれんだと思います。
その後ろにズラズラっと買収案件。割安な利益というのが負ののれんということです。
つまりライザップの利益はみせかけだったということです。
そして2018年9月決算がこれ
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2928/tdnet/1649909/00.pdf
P.8によると
売上総利益477億円 販売費および一般管理費531億円
もし日本基準ならば477-531=54億円の営業赤字会社です。
なんでこうなったかというと、買ってきたボロ会社が赤字だからです。
そしてカルビーの元会長で今年からライザップで経営している松本氏がテコ入れすることになり、ダメな会社を整理し、新たな買収は凍結になりました。
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④ここから苦しいよ。
以前に勤めていた会社では、ある、専門外の大赤字のスーパーマーケットを買収して黒字化したのですが、本当に大変だったし3年かかりました。数社でもかなり手こずるのに、60なんて考えられません。
自分たちの専門分野ならともかく、ジーンズメートとかのアパレルとかですから。めちゃ厳しいはずです。
結果にコミットするとか調子に乗ったツケですね。安易な買収は後が大変です。
⑤負ののれんで粉飾する会社がある
その名は8202ラオックス。特別利益に、負ののれんがたくさんあります。
決算書見ると負ののれんがいっぱい計上されています。他にも、苦しくなるとボロ会社買収する、くそ会社がたくさんあります。(どことはいいませんが)
ですが、RIZAPを見ればわかりますが、会社が更生しないと、営業利益が損失になってしまいます。RIZAPは結果のコミットに失敗しただけで粉飾の意図はなかったと信じたいですね(--)
⑥瀬田氏は結果にコミットできるまで無報酬だそうです。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2928/tdnet/1649911/00.pdf
何年かかるかわからないですが、今後が楽しみですね。でも損害を被った投資家は誰も補償してくれないですけどね。
姉妹サイトでスルガ銀行の決算分析しています。よかったらどうぞ
スルガ銀行の2018年9月決算を分析します。 - 通販とふるさと納税と調布
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