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相場雑感 日産の件で、コーポレートガバナンスが二流国家露呈の懸念

こんにちは、mymykenshinです。先ほど、日産が臨時取締役を終了し、カルロスゴーンと、その側近を解任しました。

個人的には、日産がフランスのモノになるのを阻止するために、やむを得ないクーデターという理解はあるものの、これによる影響は意外と大きいように思います。

というのも日本を代表する東芝と日産において経営者が暴走することで、日本の企業統治は信用ならないと考えた外国の長期投資家達が日本から引き上げる可能性が出てきたからです。

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①会社法のおさらいと今後の展望

会社の代表取締役は、取締役の中から取締役で選任と解任が行われます。(委員会等設置会社でない場合)

 

したがって今日の日産の取締役会でカルロスゴーン氏は代表取締役から平取締役に降格になっただけで、取締役の地位まで降ろされたわけではありません。

www.nikkei.com

日産としてはゴーン氏が取締役の籍を残したままですと、後々に憂いを残しますので、取締役としての地位もおろしたいところですが、それをするには株主総会が必要となります。

 

ところが、日産の43%はルノーが議決権を持っており、もしルノーが反対すれば、ゴーン氏の解任もできませんし、下手すると西川氏等、日本人取締役の全員を首にすることも不可能ではありません。

 

もっとも、いずれ検察は有価証券不実記載だけでなく、業務上横領罪等でも捜査をのばすでしょうから、そんな役員をいつまでも残すのは、現実的ではありません。ルノーも致し方なく同意すると思います。

ただ、ゴーン氏の解任には応じても、他のフランス人を選任する可能性は十分にあります。

 

そこで日産は、ルノーの議決権を弱める何らかの策をうってくる可能性があります。

一つ考えられるのは日産がルノーの株式を25%以上保有することです。

日本の会社法では、お互いが25%以上の株を保有している場合、親会社は議決権を行使できないという法律があります。(会社法308条)

 

これは例えば、経営者が株主から刺されないために、子会社に命令して親会社の株を過半数取得させれば、子会社は親会社のいうこと聞く。子会社は親会社に命令を出せるとなると、実質経営者が親も子も実効支配できることになりますので、そういう弊害を取り除くために、相互保有株式の議決権は否定するという規定なのです。

 

この法律を逆手にとって日産が取締役会でルノーの株式を25%以上保有すれば、ルノーの言うことを全く効かなくていいことになります。

 

ルノーは株主総会で日本人役員を全部首にできる。逆に日産はルノーの影響をすべて排除できる奥の手がある(キャッシュいっぱい持っているし、日本政府がついていますので資金はなんとかなる)。

という緊迫した状況なのです。もっとも大型増資して議決権を弱める手段もないではないですが、日産は増資するには会社がでかすぎますね。

 

私が思うに、ルノーが日本人役員をクビにすることも、日産がルノーの25%以上を保有することも両方ともなくなり、ルノーと日産のアライアンスが解消になり、ルノーは日産の株を手放すことになるのではないかと思っています。実現したとして1年以上後だとは思いますが。

 

というのも、今の日産はルノーを必要としていないのです。20年前と立場は逆転し、ルノーは経営不振に陥り、日産はキャッシュリッチな会社に変貌しています。今回の報道で社員の反応を見る限り、ゴーンの味方はほとんどおらず、仮にルノーがフランス人だらけの取締役にして実効支配しても、だれもフランス人のいうことは聞かないと思いますし。日本人だって、フランスの会社になった日産の車を買うか?といえば、やはりトヨタに流れていくと思われます。

ロイターも書いておりますが、今回の件で負け組はルノーだということになりそうです。

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②欧米人から見た日本のコーポレートガバナンスの不気味さ

ただし、欧米人からみた今回の日産のやり方は、日本人はやはり信用できないという印象を持たれたと思います。

というのも、基本的には日本人は上に従順で、トップに立つ人間は統治がうまくいっているものという印象を持っていたのが、実は不満のマグマはメチャたまっていて、時としては法律やルールを逸脱して、クーデターが起こりえるお国柄なのです。

 

ゴーン氏は、まさかクーデターを起こすなんて夢にも思っていなかったと思いますよ。20年近く、だれも異見を言ってこなかったのだから。

みんな表面上は従順な顔をしていて、いつの間にか裸の王様だったわけです。

 

また欧米だと成功した経営者は経費使い放題で多めに見てもらえるものの、日本は知事が公用車でマッサージをうけにいくだけで「私的流用」と刺される国なのです。

 

きっと皆さんの日常にもあるんじゃないですか? 部課長の役職の人が、自分の部下を掌握しているつもりが、実は全員が嫌っていて、ある日突然いうことを聞かなくなるようなことが。あるいは、そういう目にあっている人を見るとか。

 

日本人同士でもそうなのだから、欧米人の側ならなおさらというわけです。

③もともと得体が知れないから投資されないのが、ますます控えられるかも

この点について、豊島さんが欧米人から見た視点を紹介してます

外国人投資家が見る「日産の変」 | 豊島逸夫の手帖 | 純金積立なら三菱マテリアル GOLDPARK(ゴールドパーク)

 

そもそもアベノミクスで日本株があがったとは言え、PERから考えると、全然低いわけで、こういう相場が不調なときはトヨタですら10倍割って8.64倍とか。

そもそも外人は全然日本株を買っていないのです。

そこで、今回の日産のように外国人投資家がひくような事件があると、今後上値をとっていく可能性が増々低くなるなというのが私の印象。

 

東芝が粉飾がやりまくったときも心配した。でも、東芝は大したことなかった。でも日産の非合理的なクーデターは意外と尾を引くと思います。

なぜなら、中国とか韓国で不当逮捕のニュースが出ると「こえ~。行きたくないな」って思うでしょ。同じレベルだということです。

 

 

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